1985 年の初登場から現在まで、常に最新鋭のプロモデルを発表し続ける一方で、ストリートカルチャーのアイコンとして君臨し 続ける稀代のプレミアムスニーカー、AIR JORDAN。その原動力は、AIR JORDAN と命名されたその存在自体が、ストリート カルチャーの歴史の一部だからに他ならない。今から35 年前、MICHAEL JORDAN のNBA デビューシーズンに生まれたAJ1 は、 当時としては文字通り異色であったカラーリングを理由に、保守的であったNBA からゲームでの着用禁止を突き付けられる。し かしNIKE 社はそれを逆手に取ったコミュニケーションを展開、結果AJ1 は鳴り物入りのスーパールーキーを更に注目させる呼 び水となったのだ。コート外においてもHIP HOP アーティストやスケーター、気鋭のグラフィティアーティストなど、総じて後 にストリート出身と呼ばれるカウンターカルチャーの先人たちは、その刺激的なプロダクトにいち早く反応し興味を示していた。

例えばLL COOL J は、85 年のデビュー作『RADIO』のジャケットでAJ1 を着用し、既に時代の寵児となっていたKEITH HARING も作品制作中から日常まで好んでAJ1 を履いていたし、伝説的スケートチームBONES BRIGADE が87 年に発表した ビデオ『THE SEARCH FOR ANIMAL CHIN』では、LANCE MOUNTAIN を筆頭に若かりしレジェンドスケーター達がこぞっ てAJ1 を着用しているフッテージが確認できる。ブラックムービーの巨匠SPIKE LEE 監督は、89 年公開『DO THE RIGHT THING』の中で、極めて重要なプロップとしてAJ4 を起用している。これらの事実こそ、それまで独立的に進化してきたシーン が一つになろうとしているストリートカルチャー黎明期にAIR JORDAN がプロップスを得ていた証であり、だからこそ今なお AIR JORDAN は不動のストリートアイコンであり続けているのだ。

そして2020 年8 月。コンテンポラリーストリートのエッジに立ち続けるUNION は、今やNIKE 本体からの独立遊軍として展開 するJORDAN BRAND とのカプセルコレクション最新作を発表。シューズ／アパレルの隔てなく、今なお進化し続けるストリー トウエアとAIR JORDAN の現在地をここに切り取る。